かなり滞っていました、大船渡市綾里地区の復興計画づくり報告です。
まず、7月21日(土)に1回、22日(日)に2回、現地でWSを行なってきました。
7月21日(土)は、小石浜地区において、女性の方々にヒアリングをしました。前回のWSで是非女性の声も聞いてほしいとの意見があったためです。日常生活や漁業での女性の役割、今後の要望など女性ならでは視点で様々な意見を頂きました。
僕が「女性の方々も漁業を手伝っていらっしゃるんですよね?」とお聞きしたところ、間髪入れずに「手伝いじゃない!!」と一斉に言われたことが印象的であり、女性方の漁業における必要性を痛感することが出来ました。
その後、小石浜の方々に懇親会を開いて頂きました。
お酒をまじえて復興に対する熱い思いをお話頂いたり、集落に代々伝わる獅子舞を披露して頂いたりなど、これまで以上に住民の方々と触れ合うことが出来ました。
7月22日(日)は、田浜地区部会、中心部(港・岩崎・宮野・野形)地区部会の住民の方々のWSを行ないました。
各地区で日建設計のみなさんから教えて頂いた逃げ地図を行い、それを基に土地利用に関する検討を行いました。
田浜地区では、震災時に他集落から孤立する事が問題視されていたため、逃げ地図の原理を利用した孤立解消地図を行い、どこに道路を新設するか、高台移転地との連絡、インフラの整備等を話合いました。
中心部地区では、既存の2本の幹線道路が災害時に通行不可になる可能性があるため、新たに迂回道路を設けることに話題が集中しました。また、それに伴いどの道路を嵩上げするかといった議論もされました。
8月には、大学が休みに入ったこともあり、5日(日)〜12日(日)まで現地に滞在し、集中的に調査・WSを行いました。
5日(日)は、田浜地区・中心部地区でWSを行いました。
以前話し合った道路網の確認と、研究室で提案した土地利用案を基に土地利用に関してより具体的な議論がされました。現在すでに進んでいる土地利用(農地では既に黒土が入れられていました)を考慮し、震災前の街とも照らし合わせながら議論が進められました。
また、両地区とも漁業系土地利用と住居系土地利用の範囲・区分をどのようにするかといった議論がされ、2線堤・土地区分の目印として防潮林を設けることに案にまとまりました。
6日(月)〜10日(金)までは、学生が現地に常駐し、再度の調査を行なったり、週末のWSに向けた資料づくりを行いました。
11日(土)・12日(日)の午前中に、中心部地区部会・小石浜地区部会・田浜部会においてWSを行いました。
先週に議論された土地利用案の確認と、防潮堤の嵩上げシミュレーションを学生が作成したモンタージュ写真を使って行ないました。
今まで具体的にイメージが出来なかった防潮堤の嵩上げですが、before afterを画像で見せることでイメージが湧いたのか、かなり衝撃的な感想を持ったようでした。
12日(日)の午後からは、綾里地区復興委員会のみなさんと、各部落で今まで行なってきたWSと計画案の報告を行いました(前期で19回ほどWS・打ち合わせがありました)。
復興委員会のみなさんから計画案に対して合意を得ることができ、今後さらにまとめて市に提出される予定です。
また、綾里地区には未だ部会が設立されていない集落が2つあり、今回ぜひ我々の集落も動き出したいというお話がされました。
前期は、主に土地利用・道路網に関して住民の皆さんと検討を重ねて来ました。
今後は、新しく設立される部会も含めて、防潮堤のデザインや福祉など残された問題に関してWSを行なっていく予定です。また、まちづくりニュースの作成も継続していきます。
文責:M1 寺澤草太